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■Lucyみさおの逃亡日記カラコルムハイウェイ編VOL7:ちょいと早めの目覚まし時計■ DATE:2005.08.09-10 南疆鉄道 REPORT&PHOTO:Lucyみさお |
随分と暗くなってきた。
日が落ちた窓の外にはもう山も砂漠も映らない。 車内はエアコンがガンガンに効き寒くて寒くてたまらない。 私はあわててシャツの上にセーター、そしてウールのストールにトレッキングコートを着て腕組みをし、寒さにぶるぶる震えていた。 夜も更けているはずなのに、車内は相も変らず賑やかしい。 電気はこうこうとついている。 このままやったら寝るに寝られんなあ。 そんなことを思いながら、私は眼鏡を外してケースに仕舞い、ウォークマンの音楽のボリュームをいっぱいに上げて、それを耳栓と子守唄代わりに睡眠体制に入った。 アベックのネエチャンは連れ合いの胸に体を預け、隣のネエチャンは窓に肩肘をつき、それぞれに気持ちよさそうにうつらうつらしはじめた。 歌の好きなニイチャンはどこか違うシートへ移り、別のニイチャンが静かにそこに座っている。 席を立ってコートの裾を直しながらあたりをぐるりと見渡すと、あちらこちらでそろそろお休みタイムが始まっている。ウォークマンを外してみると、車内は思ったよりも随分静かになっていた。 ― これやったら眠れそうやなあ。 私は横向きに座ってシートの背に頬をくっつけ、ウォークマンのボリュームを小さくした。ヘッドホンからは80'sのバラードが流れる。 ― あの時は何を聞いとったんやったかなあ。 アジアで寝台列車に乗るのはこれで三度目、いや、四度目か。 インドで、ティルパティティルマラへ往復10時間かけてお参りした翌日チェンナイからスカンディラバッドまでファーストクラスの個室に乗った。12時間か13時間か、専属のボーイまでついた静かな個室で私は相棒と2人朝までゆっくり熟睡した。 ベトナムで、ハノイからラオカイまで約8時間。あの時は中国人と台湾人とベトナム人の若い男三人と酒を飲んで笑った後、一等の個室に鍵をし、4人で朝までぐっすり眠った。 帰りは6人用の二等の個室でベトナム人一家やオーストラリア娘とロクに話しもせずベッドに横になるなり熟睡した。 そして今、私はここ中国で23時間の長旅を、ベッドもなく個室もなく、リクライニングもない一番安いシートに横になって一人で眠ろうとしている。 ― 何やだんだんチープになっていくなあ。 今の自分の状態とは程遠いダイアナロスとマービンゲイのラブバラードを口の中でモゴモゴと口ずさみながら、なんだか自分が滑稽に思えて一人でニヤニヤ笑った。 ― これが楽しいんやからしゃあないわ。 うとうとしながらだんだん体もぬくもってくるのがわかる。 眠気はだんだん強くなり、うつらうつらしながら、時折ふと「んふふ」と笑う自分の声に起きてみては口の端のヨダレを拭う。 ― あーこのまま眠れそう。 ひつじがいっぴき ひつじがにひき ひつじがさんびき ひつじが・・・ やがてふうーと落ちるような眠りに入ったその瞬間 「コルラ!なんちゃらかんちゃらコルラコルラ!!!」 ペコちゃんが大声で叫びながら車両を横断し、あの歌ってばかりのニイチャンがデカイ荷物を抱えて楽しそうに「コルラー!コルラー!」と、大声で叫びながら降りていった。 そして入れ違いに「なんちゃらかんちゃらかんちゃらあんちゃら!!!」と、大声で騒ぎながら怒涛のように乗り込んで来た乗客が、われ先にと空いた席へ突撃する。 北京時間25時。 私は体を起こしてペットボトルの水を一気に飲み干した。 ■自分の笑い声で起きるということ■ よく自分のイビキで起きるというのは聞きますが、私はイビキはもちろん、寝入りばなに笑い声で起きることも多いです。正確には笑い声というよりは「んふふ」っていう感じなんですが。 なぜかは不明です。 ■消灯なし■ びっくりしたのは南疆鉄道に消灯がないこと。 これは二等シートだったせいか、それとも全車そうなのかちょっとよくわかりませんが、一応ね、インドでもベトナムでもある時間になると消灯というのはあったように記憶しています。 もちろん、夜中に停車するのも当然あったわけですが、いやしかし今まで乗った寝台車の中では一番賑やかで明るい夜でした。 ■アジアの寝台車(過去の逃亡日記から)■ インド(チェンナイ→スカンディラバッド) ベトナム(ハノイ→ラオカイ) 私は電車とか大好きで、タイではアユタヤ⇔バンコク往復とマハチャイ⇔ウォンウェンヤイに乗りました。もちろんこれは普通列車。 アメリカではミルブレーからカルトレインでサンノゼへ。 サンノゼではライトレイルが楽しかった。 列車に限らず、バス、ジープニーやバイクタクシーなど、その土地の公共交通機関を利用するのは結構面白いもんです。 NO:8 ぷっぷっぷ! |
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