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■Lucyみさおの逃亡日記カラコルムハイウェイ編VOL14:じたばた動かずメシを食え■
DATE:2005.08.11 カシュガル
REPORT&PHOTO:Lucyみさお
こういう時はじたばた動かんほうがええ。

私は一旦ホテルへ戻り少し休憩した後、昨夜閉っていたキャラバンカフェへ行き、そこで生野菜のサンドイッチを食いながらぼんやりとこの街の地図を眺めていた。

中国式に区画整理された街は他の中国の都市部とまったく変らない。
東西を貫く人民東西路、南北を貫く開放南北路。
それぞれの大路が交差する場所が街の中心で必ず人民公園がある。
多少空気がのどかで、歩いている人々の姿や文字に特徴はあれど街のハードな風景は無機質でオモロクも何ともない。

何かこう、他にもっとあるはずや。
こんだけウィグルの人がおって文字も言葉も生きてるっちゅうことは絶対独特のモンがあるはずや。ウチが見たいモンも多分そこにあるような気がする。
街は大した広さやない。普通やったら充分に歩いてまわれる。
歩きながら迷子になって偶然何かにめぐり合うんはようあること。

今までの旅なら迷わずにとっくに歩き始めていた。
けれど今の私にそれをすることは出来ない。

昨年秋にアレルギー性間質性肺炎を発症した私は、一旦治療を終えた後、経過観察に入っていたにも関わらず、血中酸素濃度は順調に下がり続け、旅の前には95%まで落ちていた。二ヶ月で一気に5%低下したそれは、当然それなりの影響も体に与えていた。

そんな状態で、私は医師に旅の予定を告げた。
バレるのを承知で笑顔を振りまき「体調バッチシ」とウソ八百を並べた。
既に航空券もビザも手配済みだった。

「高地へ行くことが肺に影響を与えるわけではないので大丈夫だとは思いますが、無理はしないようにしてください。おかしいなと思ったら必ず病院にいくように。」

私に釘を刺した上で医師は冷静にこの逃亡にオッケイを出した。
センセ、病院なんかあるとこちゃいまんねん、と心の中でつぶやきながら「そないします。」と笑って私は頷いた。

そんな体だから今までのような動きは出来ない。
私は出来るだけ自分の足を使わずに目的地を探さなくてはならない。

こうなったらしゃあないなあ。

私はカフェを後にし、目の前にやってきた開放南北路の両端を結ぶNo8のバスに飛び乗った。

NO:15 トキメク何か

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