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■Lucyみさおの逃亡日記カラコルムハイウェイ編VOL23:裏入国審査■
DATE:2005.08.13 ススト
REPORT&PHOTO:Lucyみさお
結局都合3人の申請用紙を代筆して入国審査の列(というか横にどわわわわと広がっている)の後ろに立っていると、審査官かアシスタントらしきオトコが来て私は別室に案内された。    
   
別室ではデスクに一番偉そうな(でも態度は凄く紳士的)な担当官が座り、その隣にちょいと軽そうな通訳らしきオトコ、私はその前に座り、私の後ろには私を連れてきたオトコが立っている。    
   
何やねんコレ?    
   
一人別室に案内されたのが妙に気に入らず、私はいつも以上にふてぶてしい態度をとろうとした。    
   
「今回、パキスタンへ来た目的は?」    
   
通訳が難しい顔をして尋ねる。    
   
「観光」    
   
私は足を組み、ふんぞり返ってふてぶてしく答える。    
   
通訳は担当官にパキスタン語で伝える。    
この担当官は英語を充分に理解しているように見えたが、まあ、色々事情もあるのやろう。    
   
「スケジュールは?何日くらい滞在の予定ですか?」    
   
「10日か2週間くらい。帰りのチケットオープンやから決めてない。」    
   
「ビザは?」    
   
通訳は相変わらずしょうもない質問を難しい顔で重々しく尋ねる。    
   
なんでこんなチャチな質問わざわざ別室で受けなアカンねん。    
   
「予定はこれ。ビザはこれ。」    
   
私はいちいち答えるのが面倒くさくなって、英語表記のスケジュール表と3ヶ月有効観光ビザが貼り付けられたパスポートのページを開いて担当官のデスクに置いた。    
   
通訳と担当官はそれに目を通しながら、「特に問題ない」というような、そんなことを言いあい頷き合っている。    
   
「ウチは一ヶ月ビザを申請した。でも、あんたとこの大使が三ヶ月分ビザを発給してくれたんや。」    
   
私は面倒くさくなってふんぞりかえってそういった。    
   
日本出国ギリギリのタイミングでビザの取得申請をした私は、一日も早く発給してもらうため、英語で詳細のスケジュールを作成し、大使に知りうる限りの丁寧な英語で「私はパキスタンが大好きで、今までに沢山のあなたの国に関する書物を読んでいる(ウソウソ八百)。今回、あなたの国へ行けることが本当に嬉しい(コレハホント)」と書いた手紙まで添付した。    
   
ビザは郵送で申請したが、月曜に発送したそれは金曜日には手元に届き、一ヶ月分申請したそれは三ヶ月分発給されていた。    
   
と、突然、通訳が私にパスポートを返しながら笑って「それはオレの力や!」なんてことを言い出す。    
私も思わず「それはおおきに」と言い返す。    
担当官も笑っている。    
この一言で審査は終わり、場の空気は一気に違う方向へ流れていく。    
   
「今夜はどこで泊まるんや?」    
   
通訳が聞く。    
   
「カリマバードへ行く。」    
   
私は答える。    
   
「あかん、今夜はスストへ泊まれ!」    
   
通訳はそういいながら、私をこの部屋へつれてきたオトコを紹介した。    
   
「コイツ、オレのいとこやねん。スストでゲストハウスやってる。チープや。今晩はフンザに行ったらアカン。スストに泊まり!」    
   
私はずっこけそうになった。    
なんやそれ、ポン引きと審査が一緒くたかい。    
   
いとこのオトコはビジネスカードを差し出し、場所を説明する。    
   
アホな何を言うとるねん。    
ウチはもうとっととフンザに行きたいねん。    
フンザでのんびりくつろぎたいねん。    
   
黙って聞いていると肝心の(正統な)入国審査すら受けられそうにないので、ウソ八百で既にホテル予約済みやからといい、部屋を出た。    
   
まったくケッタイな国や。    
   
結局、入国審査を受けたのは最後だった。    
やっとバスに戻り、荷物を下ろすことが出来る。    
   
荷物を取り、バスから離れるとき、用紙の代筆をしたばあさんが、あのすまなそうな笑顔で近づいてきた。私はばあさんの肩を抱いた。    
その後、バスステーションの出口で、朝、私にストールを巻いてくれた中年のおばさんと鉢合わせた。    
何故か私達は黙って手を取り合い笑った。    
   
互いの手の甲には同じくらいの数のシミが浮かんでいた。    
このとき初めて、私達は同世代だったことに気付いた。    
   
手元には中国元とドルしかない。    
この後、バスに乗るにせよ、タクシーに乗るにせよ、何をするにもルピーがいる。    
この時間やったらもうヤミ両替しかあらへんな。    
ともあれ、とっとと両替済ませてカリマバードに行こ。    
   
私は両替屋を探した。
■パキスタンでホテルを予約するということ■    
   
ラワルピンディなどの大都市や、地方でもそこそこの高級ホテルなら可能かもしれませんが、普通は多分、無理かな。    
電話線は不安定ですし、メールアカウントは持っていても公表してなかったりするし(HPを持ってるなんていうのがあんまりない)    
   
これはパキスタンに限らずで、旅を繰り返していると、ホテルはその場その場でゲットするのが普通になってきます。

NO:24 きらきら星

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