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■Lucyみさおの逃亡日記カラコルムハイウェイ編VOL26:ガマンできない■
DATE:2005.08.14 カリマバード
REPORT&PHOTO:Lucyみさお
目玉焼きとパラタと緑茶(紅茶の一種)で朝食を済ませた後、もう一度ベッドにもぐりこみ昼近くまで眠った。
ここには4泊5日滞在する。
今日はもう何もしなくていい。
明日もあさっても別に何もしなくていい。

これが日本なら、もうこれ幸いと、朝から晩まで読書三昧。

に、なるのだけれど、今私の手元にはロンリープラネットしかない。
一日くらいは何もせず眠っていられるが、さすがにその先は本の一冊もないとちと寂しい。

本屋にでも行くかな。
その前にメールのチェックもしとくかな。

お日様がすっかり真上に来た頃、私はようようベッドから這い出して、赤い鼻緒の下駄をつっかけ部屋を出た。

ホテルの前のネットカフェでメールのチェックを済ませた後、全長300mあるかなしかの細く短いメインストリートを本屋に向かって下っていく。
ここは谷間に出来た街のため、平坦な場所はなく、道はすべて急勾配の坂道だ。

メインストリートの随分下のほうにある本屋へおっちらおっちら歩きながら、ふと帰り道のことに思いを馳せた瞬間、顔面蒼白になりかけた。

私は坂道を満足に上れない。

血中酸素濃度が95%に下がったあたりから、私は坂を上ること、平坦な道でも、話しながら歩くことが満足に出来なくなっていた。


本屋で休憩した後、フンザ地方の文化や民族に関して書かれた洋書を一冊買い、また坂を上り始めた。
街の人が「ハロージャパニー」と声をかけてくれる中、にこにこと笑いながら、5m上っては休憩し、また5m上っては休憩する。
声をかけた人はそんな私を不思議そうに見る。
その横を、トレッキング帰りの観光客がたったたったと通り過ぎる。
坂の片側には今朝バルコニーから見たあの光景が広がる。

フンザに来て、こんなキレイな場所に来て、トレッキング一つできへんやなんて、なんぼなんでも悲しすぎるなあ。

坂の脇に座り込んで休憩しながらさすがに今の状態が情けなくなった。

ホテルでずっと本を読んでいるのも確かに悪くない。
フンザにはゆっくりと休みを取るためにやってきたのも事実。

しかし、トレッカー達とすれ違う度に私の中の「見たがり・動きたがり」がモゴモゴと胸のあたりで動き出す。

今ここで無理したら、絶対に熱出るし、この先10日ほど棒に振ることにもなりかねん。
フンザでは大人しくホテルで過ごすねん。
そのために、ちょっと高いけど景色のええ部屋にしたんやから。
ガマンガマンガマンガマン。



そして気がつけば私はホテルに戻らず、ツーリストオフィスのドアを開けていた。
■カリマバード■    
   
フンザはつい30年ほど前までフンザ王国という独立国家でした。
カリマバードはその首都(王都)。
標高7000m級の山々に守られ、他所からの侵略を全く受けることなく栄えた稀有な王国です。
非常に教育熱心で、民は高い教育を受けていたことでも知られています。
カラコルムハイウェイ開通以降、この国はパキスタンの管理下におかれ、今では一つの地方として存在します。

幅はジープ1台程度、長さは300mあるかないか、舗装されていないがたがた道のメインストリートの両脇には、ホテルやみやげ物屋が並んでいます。

「風の谷のナウシカ」効果も手伝い、春秋のハイシーズンには日本人観光客も多く訪れるため、大抵の看板には日本語が併記されています。

日本人に対しては、「いいお客さん」というふうに見ているのか否かはわかりませんが、とても友好的、好意的です。

かといって無用な呼び込みをされるわけではありません。
基本的に非常に街も人もおだやかです。
特筆すべきは、風景の美しさと同じように、出会う人すべてに不思議な品がある、ということでしょう。

英語は大抵の場所で通じます。
それもヒンディーのような訛ったものではなく、かなりクリアな聞き取り易い英語です。

フンザ帝国の成り立ちについては、アレキサンダー大王末裔説など約3つの大きな説があります。
これに関しては、今、辞書と格闘しながら資料を読んでいる最中なのでまた後日。

NO:27 サンライズに間に合えば

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