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【Lucyみさおの逃亡日記(28)】(最終回)
=離陸= |
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DATE:2000.06.01 in San Francisco
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム) |
チェックインカウンターで荷物を預けて、来るときに作った紙製の仮マイレージカードを差し出し、出国審査を済ませる。関空への直行便という事もあってカウンターにも日本人女性がおり何も問題はない。スナックで軽くカプチーノを飲んでから相棒に世話になった礼を言い、帰国便の搭乗口へ向かう。搭乗口には案の定やたらと人が並んでいるので、離陸の10分前まで免税店で買いもしない商品を眺めてから搭乗した。
「飛行機の飛び立つ瞬間っていうのは起業に似ているかもしれないね。」 夕暮れの飛行場でそう言った人がいた。 「見ている方は凄い凄いって言って騒いでいればいいけれど、乗ってる方は命がけ。でもやっぱり見てるより乗る方がいいよな。」 飛行機は自力でバックが出来ないから、トラックに滑走路まで押して貰って進む。そしてゆっくりと、時にはストップしながら滑走路を進み、ある瞬間に何かを吹っ切ったようなすさまじいスピードで加速しそして一気に大空へと飛び立つ。 友人達がバブルを謳歌していた25歳の頃。早すぎた結婚と出産で、私は人生の中で一番美しくて楽しい時間を無くしてしまったと思った。もう楽しい事や挑戦とは無縁だと思っていた。 けれど今、あの日夕暮れの飛行場で騒いでいた私は、飛行機に乗っている。一生縁のないと思っていた海外。見るのは好きだけど乗るのは大嫌いだった飛行機。 機内にシートベルト着用のアナウンスが流れた。飛行機はゆっくりと滑走路を進んでいく。それまでゆるめていたシートベルトを強く締めて、座席を戻しだんだん速くなるスピードとエンジンの轟音にどきどきしながら、深呼吸して目を閉じた。 今、飛行機は離陸する。 (Lucyみさおの逃亡日記おわり) ※長い間のご愛読ありがとうございました 石谷みさお(いしたにみさお) ※この記事の著作権は 石谷みさおさんに属します。 本人に許可なく転載、転用等をすることを禁じます。 ※この記事に関するご意見ご感想、は info@livelovelink.com までお寄せ下さい。 |