【 りぶらぶりんく京都マガジン臨時号 】発行日:2001.9.14━━━━━━━━━━ 京都キャンパス情報コミュニティ りぶらぶりんく京都 URL:http://www.livelovelink.com/kyoto/ 発行:りぶらぶりんくドットコム                The gift of LAUGHTER is best when SHARED ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みさお@りぶらぶりんくドットコムです。 皆様も既にご存じのように、先日、とても悲しい衝撃的な事件が起こりました。 被害に遭われたすべての皆様に心よりお見舞い申し上げます。 今日は臨時号として、NYから届いた二通のメールをご紹介したいと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【アメリカ同時多発テロに寄せて・・NYより】 9.13.2001 末村祐子 大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程 「NPO/NGO Walker」発行人 関連URL: e-mail magazine NPO/NGO Walker Publisher http://www.gem.hi-ho.ne.jp/npo-ngo-walker/ NPO Fellow CGP The Japan Foundation suemurayuko@hotmail.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2001年9月11日 午前8時45分、42ndの大きなビルの地下で行なわれた シンポジウムに参加していた私は、進行者のアナウンスで事件を知る ことになった。 「世界貿易センタービルに飛行機が突っ込んだという報告が入った。 しばらく中断したい。」  会場はもちろん悲しみにくれたが、この時点で事の重大さに気づいて いた人がいくらいただろうか。会場を出た通路のTV画面に映し出された のは司会の言葉を超えた想像を絶するもの・・・ 何度も足を運んだことのある、あの同じ場所でほんとうに起こっているのか、 目を疑うばかりで息を呑んだ・・・ 胸を締め付けられる思いで画面に食い入っていると、同様に打撃を受けた ペンタゴンの映像。いったいどういうことなのか、そしてWTCビルへの 2機目の衝突・・・・ 9時30分 大統領によるテロリズムによる惨劇であることのコメントが 発表された。心の中で「懸念していた悪夢がおこった・・」と思った。 充分な情報も無いもののいくつかの情報をつなぎ合わせながら、 ビルの外にでる。携帯電話で家族と連絡をとる人の姿、ながいながい 公衆電話の列。はっとしてダウンタウンに視線を移すと、TCから火災とも 灰ともいえない煙の立ち上る異様な光景が目の前に広がっていた。 隣にいた誰がつぶやく。「戦争になる・・」と・・・ 帰路にある国連ビル周辺はすでに封鎖され厳戒体制下にあった。 急ぎ自宅にもどり報道を見ながら必要な連絡をとり終える。 日本がNPOが根付く社会であってほしい。 普通に生活する人々と意志決定者との距離が少しでも少ない社会にしたい。 国際社会の中でも自分たちの立脚点を見極めて果たすべき役割を果たせる 日本でありたい。NPOが根付く社会の先にそんなことをイメージした。  政府、行政だけでもそして営利セクターだけでも解決することができなかった 社会のニーズ。NPOによるセクターを誕生させることでより成熟した社会を 成立すること。それがNPOに期待される機能だ。そんなNPOの創造に貢献 したければもっと勉強が必要、という思いで国際公共政策の切り口で勉強を 始めた。 NPOが存在しうる社会のシステムを探るために、国際社会、各国の統治、 官民の関係、経済理論、そしてシステム、各国が試みている社会システム、 それを構成する組織のマネジメントといったことを未熟かつ机上ながら勉強 してみた。 NYに来てからは机上で得た知識と現実の社会をひとつひとつ紡ぐ作業を してきたように思う。 選挙結果ですったもんだした結果成立したブッシュ政権。 その外交について、クリントン政権時からどう変化しただろうか、それは 国際経済、アメリカの経済にどう影響を与えているのだろうか、といったことに 目を向け始めた矢先の今回の事件であった。 テロ事件の首謀者と見られるウサマディンラビンは「私は軍服を着たものと そうでない者の区別をつけない」と宣言している。 民間機のハイジャック、そしてその民間機の激突による襲撃・・・そこには まぎれもなく制服ではない普通の人間の人生があった。 2次災害の恐れ、進めたくても進まない救助活動、救助の最中、事件に 巻き込まれた消防士、警察官たち。そんな仲間が目の前の瓦礫の下に いる。こうした中で続けられる必死の救助活動。治療活動が続けられて いる病院には連絡がつかない家族の安否を尋ねて人々が集まっている。 写真とともに呼びかけられる家族の情報提供依頼の言葉に、あふれる 涙を止めることはできない。 これがこのところよりその立場を明確にしてきた外交政策に対する、報復 なのだろうか?どんな理由があれ、テロリストらにとっての神の導きによる ものなのであれ、許されることではない。 政権の終盤を迎えているジュリアーニ市長は早期より交通機関のみならず 生活レベルの経済活動の正常化に向けた明確な方針を打ち出す。 行政の最高責任経営者としてのリーダーシップに頭がさがる思いである。 州知事、市長、上院議員、連邦機関それらは席をともにして会見を行なう。 ヒラリークリントンをはじめとする上院議員たち・・記者会見で聞かれる彼らの 言葉にも胸を打たれる。 「ありがとう。今も救援にあたってくれている多くの救援隊、医療従事者を  誇りに思う。偉大なリーダーシップをもってそれらを指揮する人々を、  リーダーだけではない。パニックをおこすことなく現状に耐える市民を  誇りに思う。」と。 誰もが映像には映ることのない者の献身に心からの畏敬の念を表す。 ニュースのアンカーは現場からの報道にあたる人間の健康を気遣う コメントを付け加える。 市民は自らがやみくもに現場への潜入を試みるのではなく、専門家としての 技術、経験を持つ者の活動を街頭でのエールで応援する、そして献血の 呼びかけに応えて献血をする。 「自分たちにできること、自分たちがやるべきことはこれだけだから。」と。 現場に入るボランティアと呼ばれる人々は医療、救援の専門家のことを 指す。医師、看護、救助、大型機械操作の知識を持つもの、消防、警察と いった専門家である。入り口の調整は行政が担当する。行政は日ごろより 関係が構築されている病院、カウンセリングの団体といったNPOとの 情報交換の中で遠方からの専門性のあるボランティアの采配を行なう。 有志を有効に機能させるためにNPOは各々の分野の人的資源のマネジ メントの専門家として機能する。一人でも多くの人命を救助するための、 そして被害を受けた人々の支援をするための指揮系統が保たれる基盤が 整っている。 そして、誰もが互いの役割に尊敬を持って、一人でも多くの人命を救助する ために取り組んでいる。渦中にあって、今、日本人として何ができるのか、を 考えると、それはNPOだけで直接の行動を起こすことだけではないのかも しれないとさえ思える。 賢明な判断を政府がしているのであればそれを指示することなのかも しれないし、軌道修正が必要ならそのための行動を起こすことなのかも しれない、と彼らの姿をみて思う。 テロに対する怒りは感じつつも、NYは事件直後の無力感から必死に 立ち直ろうとしている。テロの暴力の前にアメリカは屈してはいけないという 言葉がよく聞かれる。指導者は心がけて「民主主義に対する信頼、それを 担保してきたアメリカの自由の精神に対する誇り」という言葉を口にしている。 ニュースでのこどものうけた精神的な打撃にどう応えればいいのか、と いった問いかけでは、こどもへの配慮について伝えられるとともに 「大人が無力感に打ちひしがれないようにしよう。テロの本当の目的は 何か?ビルの爆撃だけではない。アメリカを、アメリカの精神を崩壊させる ことにある。こどもたちは私達の未来なのだ。大人がアメリカの精神を 失ってはいけない。」 と・・・ 事件より2日目の朝 NYより Yuko Suemura ※この記事の著作権は 末村祐子さんに属します。   本人に許可なく転載、転用等をすることを禁じます。 ※この記事に関するご意見ご感想、は info@livelovelink.com までお寄せ下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 ニューヨークから】 9.13.2001 Hiromi Mizota Wimalasiri http://www.geocities.com/hiromimw/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私の夫の国スリランカは仏教国でインド洋の真珠といわれたとても 美しい国です。しかし、慢性的にテロ攻撃のため毎年何人もの人が 爆発により命を失っており、日本の外務省も危険国にランクづけて います。数年前には、コロンボの証券取引所が入居するワールド トレードセンタービル(スリランカで最大のビル)が爆発され、数十人が 死亡しました。 スリランカはほとんど英語圏で資源も豊富な国ですが、このテロリスト 活動のため、外資による投資や経済の急進的向上が停止したまま、 科学分野やIT分野(インフォメーションテクノロジー)の人材(とくに若い 世代)が海外へ流出しています。 私たちは、夫のアメリカ大学院終了時(結婚前)、スリランカにしばらく 滞在しました。そのときは、スリランカにいる夫の父の強い要望で、 スリランカに住むつもりでした。しかし、その決断をしかねていたころ、 テロリストの自殺爆撃により大統領は片目失明という被害を受け、 国内は外出禁止令が頻繁に出されるようになり、外出すれば、一日に 10数回もの警察によるセキュリティチェックを受けるほどです。 結局、ITプロフェッショナルの夫は、スリランカで自分の力が発揮できない ため、結局、ニューヨークのダウンタウンで仕事を得ました。 スリランカのテロリストを避け、安全な国アメリカで職を得たはずでしたが、 今回、スリランカとは比較にならない大規模のテロリスト爆撃を目のあたり にし、さすがにショックは隠し切れません。 現在のグローバル化をみれば、アメリカで受けた被害は世界中に拡がる ことが予想されます。政権の中枢(とくに軍)だけでなく、経済中枢がター ゲットとなっているからです。今後、長期化・拡大化するテロ問題は、 世界中のどこにいてもなんらかの影響があるでしょう。 ニューヨークでは、現在、すでに判明しているだけで、4,763人の行方 不明者が出ています。 エンパイアステートビルにも爆破予告がはいり、 避難勧告がでました。世界各国から代表がきているUN(国連)も全員避難 しました。マーケットの停止だけでなく、ニューヨーク市に訪れる年間 約700万人もの観光客、ニューヨーク3空港だけで、年間120万の空港 発着回数の停止があります。 競争力世界一のニューヨーク市で、ジュリアーニ市長のすばらしい リーダーシップは、目をみはるものがありますが、気になるのは、 ブッシュ大統領たちの強気行動です。 「米メディア世論調査で9割が軍事行動支持 」(CNN) http://www.cnn.co.jp/2001/US/09/12/post.abc.poll/ しかし、イギリスでは、ブレアの「報復を支持」発言に新聞や国民が 大ブーイングです。 http://www.cafeglobe.com/news/dailynews/dn20010913-01.html 日本の皆さんはいかに考えるでしょうか? Hiromi Mizota Wimalasiri ※この記事の著作権は Hiromi Mizota Wimalasiriさんに属します。   本人に許可なく転載、転用等をすることを禁じます。 ※この記事に関するご意見ご感想、は info@livelovelink.com までお寄せ下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■編集後記■   今夜メールを紹介させていただいた方はお二人とも大学院の   博士課程に学ぶ学生であり、研究者です。   NPOや政策を研究しているというお立場もあるかと思いますが   テロの現場にいても、常に客観的視野で物事を見ている。   その冷静な姿勢には敬意を表さずにはいられません。      今回、ご紹介させていただいたお二人のメールは、客観的に   現在の状況を伝えてくれています。それゆえに、テロが如何に   平和を脅かす憎むべき行為であるか、ということがひしひしと   伝わってきます。   この状況を経験していない私は語る言葉を持ちません。   ただ、二度とこのような事が起きないように祈るのみです。             (みさお) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 りぶらぶりんく京都マガジン臨時号 】 発行日:2001.9.14 発行部数:400 発行回数:不定期 (週1〜3回) 発行:りぶらぶりんくドットコム 発行人:石谷みさお URL: http://www.livelovelink.com/ E-mail: info@livelovelink.com このマガジンは、発行人である石谷みさお@りぶらぶりんくドットコムが名刺 交換をさせて頂いた方、何度かメール交換をさせて頂いた方、りぶらぶりんく 京都のサイトからお申し込み頂いた方にお送りさせて頂いています。 このマガジンに対するレスポンスは info@livelovelink.comへ。 新規の送付お申し込みはinfo@livelovelink.com へ。 今後の送付不要の方は、このアドレス宛に【不要】と返信下さい。 ※このメールマガジンによって第三者が受けた、いかなる損害についても、  りぶらぶりんくドットコムは責任を負うものではありません。 ※著作権に関して明記されているものに関しては本人の許可なく   転載、転用等をすることを禁じます。 チャオ!