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■Lucyみさおの逃亡日記タイ・バンコック編 NO:10 どうっちゅうことあるかい■
ボートを降りればワットポー。有名な大寝釈迦仏の寺院だ。当初、ラクムアンにお参りをしてから取材をはじめる予定だった。信心深い人ならきっとそうする。けれど、結局は効率を優先してここに来たのだから私の信心など知れている。今、この釈迦仏に自然と手を合わせるのは、まだこの旅に不安があるのと、いい写真を撮りたいという下心のなせる業だ。

釈迦仏の頭を見上げたところで蓮の花、線香、ろうそく、金箔が一まとめになったお供えセットを買う。不慣れな手つきで金箔を貼り、ろうそくと線香に火をつけ蓮とともに供え、手を合わせた。

なんとかあんじょういかしとくなはれ。
ここにおる時だけでもかまへんから。

日本とタイ、同じ仏教でありながら表現する釈迦の姿は似ているようでチト違う。この地の仏教はどちらかというとヒンディーに近い。早い話が、派手で色っぽい。目の前の釈迦仏はとにかくキンキラキンででかい。フラッシュもたいていないのに、レンズの中で光って画像がぼやけるようなそんなまばゆさだ。

面白いのは足の裏で、バカデカイ偏平足のそこには、バラモン教の宇宙観が美しい螺細工で描かれている。それは見ようによっては見慣れた曼荼羅にも見えるし、まったく別の宇宙のようにも見える。

宗教はいつもどこかで繋がっている。バラモン、ヒンドゥー、仏教は、一つの宗教の興りから、発展もしくは分岐というような関係がある。争いを繰り返している宗教ですら、もとを辿れば親類縁者の ようなところがある。

世界も人も同じ。始まりが一つなら、結局どこへ行ってもどこかで何かで繋がっているはず。お国柄にあわせて多少表現が変ろうと、そんなもん別にどうっちゅうことあるかい。

偏平で土踏まずのない足の裏はその人が超人であることを示す。その”足の裏”を一生懸命写真に撮りながら、今までの不安はあっという間にものすごい図太さに変っていく。

NO:11 私なりの礼儀
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