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■Lucyみさおの逃亡日記タイ・バンコック編 NO:16 駅はいずこに ■ |
「ええか、パスポートやチケット、金はちゃんとセーフティボックスに入れとけよ。」
「アユタヤ行ったら、レンタルサイクルに乗れ。安うてええぞ。」 「トゥクトゥクにはゼッタイに乗るなよ。あいつら"でんじゃらす"やさかいにな!」 タイバンコック観光情報からホテルでの貴重品管理にいたるまで一人で「オレってエエ人」をアピールする白タクのおっさんに「”でんじゃらす”はアンタやろ」と言いたいのをぐっとこらえて曖昧に返事をしていると、ほどなくしておっさんは車を止めた。 「お!ここやここや。ちょっと待っとけ、ワシ時間聞いてきたるさかい。」 こんな市場のど真ん中に車を止めて、客を放ったままイッタイおっさん何しとんねん、と思いつつ、どこかもわからないのでとりあえず黙ってうなずき、そのまま車に残る。窓に顔をベッタリへばりつけて、市場の様子を楽しんでいると、ほどなくしておっさんが戻ってきた。 「駅は?」 「ここやここや!」 おっさんはニコニコ笑いながら元気よくドアを開ける。 何を言うとんねん、アンタやっぱりでんじゃらすやな!こんなん駅と違うがな。ホームも何もあらへん、屋台のぎょうさん並んだ市場やないかい! 「駅はここや!10時40分や!20分になったらチケット買え!」 騙された!やっぱり白タクの運転手なんかこんなもんや。もうええこれもええ経験じゃ!おう150バーツ払たろやないかい!高い授業料のおかげで今日は昼飯抜きじゃい! 私は散々"エエ人"ぶって、結局こんな幼稚な騙し方をするおっさんともう真剣に向き合う気にはなれず、にっこり笑って約束の150バーツを手渡し、そしておっさんを見送った。 騙されたとはいえ、地元の市場に来れたのはラッキーなこと。私は気分を入れ替えて、市場の写真を撮影しはじめた。屋台で食事をする人、雑貨商、八百屋に、ジュース屋。信じられないくらい大きなカメに"オシリ洗い兼水流し用"の水がなみなみと張られた公衆便所。 市場の端にあるベンチには何人かの人が手持ち無沙汰そうに座っている。本を読んだり、ジュースを飲んだりしながら、まるで何かを待っているように。 ふと隣を見るとそこには、大きな列車の時刻表が掲げられていた。 NO:17 マハチャイ ←メールマガジンバックナンバーINDEX |
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