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■Lucyみさおの逃亡日記タイ・バンコック編 NO:17 マハチャイ ■ |
ウォンウェンヤイから終点マハチャイまで約一時間の間、ただぼんやりと窓の外を眺めていた。風景は、何もない。途中の駅は、もしかしてこの家の人のためだけにあるのか?と思えるような、葦の湿地の中のど真ん中にぽつんとあったり、時折、ちょっと大きめのバラックの間にあったり、なんとも不思議な小さな駅ばかりだ。
映画「千と千尋の神隠し」の中で、千が汽車に乗り銭婆をたずねる途中、海の中にぽつんとある駅を通り過ぎる。このローカル線の一番小さな駅は、あの海を葦の生い茂る湿地に変えて、駅舎をもっと小さくしたようなそんな駅だ。正確には、足場と駅名表示の看板しかない。 港町マハチャイは、市場の中に駅がある。もともと線路が引かれた後に、市場が出来たのかもしれないが、ホームはすでに海産物の一大マーケット。普段列車が来ないときは、線路もすべて露天商で埋まっている。 一歩町に出ると、そこにはそれなりに大きなビルも建ち、コンビニもある。日本でも見慣れた「7」のロゴが描かれたドアの前にも鮮魚の露天が出ている。駅の周辺は問屋街。多くの人が行き来している。バンコックのようなバスやトゥクトゥクはなく、ジープニーやリクシャーが主流。ちょうどセブとインドの交通機関をあわせたようなもの。 問屋街を抜けると、渡し舟の乗り場につく。バンコックとは違う、小さな港。そのすぐそばにある華僑の寺院に参拝した後、公園で土地の人に混ざってただぼんやりと港を見ていた。 都会からほんの少し離れた場所に残る、"アジアくささ"が、心をリラックスさせる。 インドへ行ったとき、車の窓から似た風景を眺めた。セブでは必死の覚悟でジープニーに飛び乗った。 今私は、何の迷いも覚悟もなく、ごくごく普通に土地のローカル線に乗り、ローカルなこの港で自然にくつろいでいる。心が妙になじんでいる。 NO:18 BTS ←メールマガジンバックナンバーINDEX |
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