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■メールマガジン「Lucyみさおの逃亡日記番外編ベトナム・ハノイ-サパ編」に関して
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■Lucyみさおの逃亡日記番外編ベトナム・ハノイ-サパ編 NO:4 轢けるもんなら■
サパへは今夜の夜行列車で向かう。
それまでの時間、さていったい何をして過ごすか。

通貨の両替もしていない。地図はガイドブックの細切れ地図しかない。移動手段もわからない。今の状態で一度ホテルを出てしまったら多分二度と戻れない。

「両替はこのホテルでやってくれます。市内でドルは普通に使えますからそんなに沢山ドンに替えなくてもいいですよ。地図はそのガイドブックで十分に事足りますし。物価はかなり安いです。ただ、ドンの単位が大きいので、なれるまでちょっと戸惑いますけどね。」

朝食のテーブルで一緒になった東京の大学生からいくつかの基本的な情報を仕入れた。けれど彼自身、サパ近郊の長期間に渡るトレッキングから昨日ハノイに入ったばかりで、この界隈の情報を多くは持っていない。

ともあれ、じっとしていても時間が勿体ないので、身支度をして部屋を出る。チェックアウトを済ませて荷物を預け、50ドルを両替し、フロントの女の子に、「あなたが一番好きな場所はどこ?」と聞いた。

「レイク・ホアンエキム」

今日はまず最初にそこに行こう。ホアンエキム湖なら、このホテルからさほど遠くはない。水上人形劇場も近くにある。ここを目印にし、ホテルまでの地図を作ればいい。これが私の旅の基点になる。それさえしっかり押さえておけば、多少迷子になっても帰ってこられる。

「8時頃、荷物を取りに戻るから。それからサパに行くよ。」
そういって私はホテルのドアを開け、昨夜、音だけを聞いていたあの喧騒の中へと飛び出した。

ぶんぶんぶいんぶいん、ぎゃはははは、うはははは、なんちゃらかんちゃら、ざわざわべらべら、ぶんぶんぶいんぶいんぶぶぶぶぶん。

ホテルを出て南に3ブロックも行くと、ホアンエキム湖に出る。距離にして約300m、時間にして多分5分。基点が定まるまでの間、決して気を弛めることはできない。私は小さなメモを片手に通りの名前一つ一つを確認し、常にコンパスを 水平に保ちながら、漸くホアンエキム湖の通りへ出た。

ディンティエンホアン通りは、三車線もあるような広い道路で、その道幅一杯にバイクが洪水のように流れている。ホアンエキム湖へ行くにはこの通りを渡るしかない。しかし、横断歩道はどこにもない。

「あんまり横断歩道ないんですよ。でも大丈夫です。バイクはそんなにスピード出してないし、道を渡るときは、向こうがすいすいよけてくれますよ。」

今朝、学生が言っていた言葉を思い出し、なるほど、そうか、それならと、一瞬、洪水が途切れたところで、私は悠々と一歩を踏み出す。

轢けるもんやったら轢いてみい。

クラクションを鳴らして押し寄せるバイク。時折ヒヤッとしながら、何、放っておいても向こうが勝手によけるやろ、と、あえて走らず、あせらず、時にバイクの運ちゃんをにらみつつ、私は心臓を足元に置くような気持ちでこの道路を渡り切った。

なんや、カンタンやん。

昨年のベトナム全土における交通事故死亡者数を知ったのは随分と後になってからだった。


■レイク・ホアンエキム■

旧市街の南に位置する大きな湖。
周囲は広い道路で囲まれていて、そこへ行くには少々怖い思いをしなくてはならない(信号のある場所で渡れば問題ない)が、湖の周囲は不思議と静かで心地よい。

ハノイの地図はここで買った。但し、ベトナム語表記のみ。
夜は街路樹がライトアップされてかなりロマンチック。

NO:5 腹が減っては



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