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■Lucyみさおの逃亡日記番外編ベトナム・ハノイ-サパ編 NO:10 寒いがな■ |
天蓋のついたダブルベッドとサイドベッド。タイルと石をあしらったバスルーム。部屋の隅には大きな暖炉があり、奥のドアを開ければとっても素敵なバルコニー。
今まで泊まったこともないようなロマンチックな部屋に入るなり私はトレッキング用コートのファスナーを首まで上げ、フードをかぶって、ウールのストールを首にぐるぐる巻きにして、ベッドにもぐりこんだ。 昨夜から、歯も磨いていなければ顔も洗っていない。ホテルについたら、熱いお湯をバスタブ一杯に張ってシャワーを浴びよう。そして朝食を食って、一休みしたら、霧の町サパをゆっくり散策しよう。ミニバスから降りるまで、私の頭の中には今日の予定がぎっしりと詰め込まれていた。 しかし、今はそれどころではない。とにかく寒い、寒すぎる。ダブルベッド用の分厚い掛け布団の上にサイドベッドの布団もかけ、それでも寒くて私はベッドの中で丸く縮こまり歯をがちがちと鳴らしていた。 なんでや?なんでこんなに寒いんや? 震える体をなんとかしようと、私は腹にぐっと力を入れた。腹巻の中に巻いている貴重品ケースが臍のくぼみにハマってイタイイタイ。 そうか!飯食ってないからや!飯食おう!飯食うたらぬくなる(暖かくなる)。 とにかく飯を食って、暖かいコーヒーでも飲んで、腹の中から温もらんとどないしょうもない。頭と腹ではわかっていても、あまりの寒さに、私はベッドから出ることすらできなかった。 うが、腹減った。早よせな、朝飯の時間終わる。けど寒い、顔が冷たい。あかん早よ出よ。早よ食お。がんばれがんばれ。ほんの一瞬寒いだけやん。 自分をどんなに奮い立たせてもベッドから出ることが出来ないまま、ただ、体を温めるためだけの時間が無駄に過ぎていく。あかんーあかんー、でもさむいー。布団から顔を出して繰り返すつぶやきの中、息は真っ白に吐き出される。 そのとき、誰かが部屋をノックした。これぞまさしく天の助け!私は反射的にベッドから飛び出し、コートのフードを頭にすっぽりかぶったままでドアを開けた。すると。 「なんちゃらかんちゃらぺらぺらぺらぺらだからそれでぺらぺらぺらぺら」 あの別嬪の姉ちゃんが、イキナリ恐ろしい早口の英語でまくしたててきた。どうやら、お客様に部屋を見せて欲しい、ということらしい。もちろん、私は快くオッケイし、ヨーロッパ系の中年夫婦を部屋に招き入れた。幸い部屋はまだ散らかしていない。パンツの洗濯もしていない。ただ、ダブルベッドの上に分厚い布団が二枚、団子になっているだけだ。 夫婦はゆっくりとあたりを見回し、バルコニーの確認もし、そして軽く礼を言って早口別嬪姉ちゃんと一緒に部屋を出て行った。 いやなに、お礼を言うのはこちらのほう。やっとベッドから出た私は、この勢いを利用して、部屋を飛び出し、階段を一気に駆け下りて、食堂で熱いフォーを出来る限りのスピードで腹にぐはぐはと、かきこんだ。 ああ、やっとほんの少し身体が温かくなった。 よし!この勢いで熱いシャワーを浴びよう! 私は食堂を飛び出し、今度は4階一番奥の部屋まで一気に駆け上がり、部屋に入るなりぱっと裸になって、そのままバスルームへ飛び込み、腹にぐっと力を入れたまま、ぎゅっとカランをまわした。 「うそやろ?!」 シャワーからは、しょぼしょぼと、ぬるいお湯が滴るだけだった。 ■装備■ 街中ですとか、有名な観光地で、気候に関する情報が随時手に入るような場所でない限り、旅の装備は少々多めのほうがいいかもしれません。 今回私がハノイを訪れたのは3月末でしたが、このときのハノイはなぜか日本以上に寒かった。で、サパは、旅行情報誌によると、そこそこ寒いけど、まあ、ええんちゃう?てな感じだったにも関わらず、めちゃくちゃ寒かった。 でね、これが街中ならいいんです。虎の子現金さえあれば、フリースでもセーターでもなんでも手に入る。 でもそうでない場合は、かなりきついです。 私は今回、トレッキング用のコートとウールのストールを用意していました。ですが、それ以外は、カットソーとTシャツだけだった。仕方ないので、Tシャツとカットソーをあるだけ重ねて着ましたが、いやはや、動きずらかったこと。 ここに薄手のフリースかカシミヤのセーターが一枚あれば、とつくづく思った次第です。 来月8月にモンゴルへ行くのですが、今度はもうちょっと装備をしっかりせなイカン!と今から色々支度をしている最中です。 NO:11 霧 |
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