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■Lucyみさおの逃亡日記番外編ベトナム・ハノイ-サパ編 NO:20 香寺■
ツアーバスは旧市街界隈のミニホテルで観光客をピックアップしながら進む。ドイツ、アメリカ、カナダ、そして日本。ベトナムのツアーはいつも国際色豊かだ。

香寺はハノイの南約65kmのところにある。
まずはバスに乗って約2時間、その後、カフェでお茶を飲んでから小さな手漕ぎのボートに乗り、約1時間強、ダイ川を上る。タイで乗ったものよりもっともっと小さい。ツアー客10人とガイド、こぎ手が乗れば、ボートはもう一杯だ。

泳げない私にとって、この状態はバイクタクシーに乗るより怖い。
「あんた泳げるん?」「あんたは?」「あんたは?」
聞いてもしゃあないことをツアー参加者に聞きまわり、そして何かあったときのために「ウチ泳がれへんねん」と宣言する。これで、もし落ちても大丈夫。きっと誰かが飛び込んで助けてくれるだろう。

ボートはぎいぎいと、なんとも心地よい音をたてながらゆっくりとゆっくりと進む。周囲の風景はまるで中国の山水画を見るようだ。肌にあたる風も心地よくそして空気は澄んでいる。時折、ともすれば心地よすぎて、寝てしまいそうになるほどの静寂をすれ違うボートからの声がさえぎる。

「ハロー、ハロー」
乗り合いボートに乗った土地の人々が、にこにこ笑いながら私たち一行に手を振る。それは何度も何度も繰り返され、その都度、私たちもハローと言って手を振り返す。

香寺はベトナム各地から参拝者が集まる非常に有名な寺だ。
香山と呼ばれるハーブの茂る山に13の寺が点在する。
しかし、土地の人々にとって、外国人観光客に会うことはあまりなく、川の上でこうして出会えるのが楽しくて仕方がないらしい。

川の脇には水田が広がる。
時折、その川岸の畦道(というのかどうか)に、子供がきゃっきゃとはしゃいでいる。岸辺にある小さな庵のそばに、小さな小さな木の小舟を浮かべ、そこに、真っ白な長い顎ひげを生やしたおじいさんが黙って座っている。ボートはぎいぎいと、長い時間変らぬ音を立てて進む。 

やがてボートは香山に到着。
私たちはここから、有名ないくつかの寺を巡る。

「コースは二つあります。一つは、最も高い場所にある寺を含む3つの寺を巡るハードなコース。もう一つは、ちょっと楽なコース。どちらでも、皆さんでお選び下さい。」

ガイドがツアー参加者に尋ねた。
参加者の顔ぶれは男女半々、年配者はいない。もしかしたら、私が一番年上かもしれない。
この顔ぶれならトーゼンハードなコース。アタリマエやん、今度いつ来られるかもわからんのにから、そんな楽してたまるかい。一カ所でも多く見て周らんと損やがな。

皆はそれぞれのパートナーやツアー参加者同士でうじゃうじゃぼそぼそ話し合うも、なかなか希望は決まらない。

「では多数決にしましょうか。」

見かねたガイドが笑いながら言った。

「ハードなコースがいい人!」
「はーい!!!」

勢いよく手を上げたのは私一人だった。

■香寺■

ハノイから車で約2時間、そこから手漕ぎボートで一時間強。
遠いように感じますが、距離的にはそうでもありません。
川を上るその風景は本当に素晴らしいもので、静寂と、美しく澄んだ空気、そしてすれ違う人々の明るさ、人懐こさに心が洗われます。
日帰りで充分に楽しめますし、ハノイの喧騒にチトツカレタ、という方には是非お出かけいただきたい場所です。

ハノイからは日帰りオープンツアーへの参加が便利です。
私が参加したツアーは15$(食事は別途)。
参加者の顔ぶれも良かったし、ガイドもオモロイええ兄ちゃんでした。

香寺の様子は、次回をお楽しみに。
  
NO:21 食い逃げ



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