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■Lucyみさおの逃亡日記番外編ベトナム・ハノイ-サパ編 NO:21 食い逃げ■ |
参道で買ったフランスパンを食いながら、三歩歩いて、ハードコースを選ばなかった皆に心から感謝した。
参道とは名ばかりのハードなトレッキングコースは昨日の雨で足元はずるずるずるりとすべりまくり、手すりもなく、ちょっとでも気を抜けばスッテンコロリン山の下までまっさかさま。 トレッキングコースの途中にあるパゴダ(寺)は比叡山の本堂石段以上に、急で長く踏面も狭く手すりもない石段の上にある。ぜえぜえはあはあ言いながら、上の石段に手をつき這い蹲るようにして登りきり、さあ、写真撮るでえ!と意気込んだのもつかの間、休む間もなく、ガイドは鍾乳洞へとこれまた急な階段を下りていく。 香寺にある13のパゴダの本尊はすべて鍾乳洞の奥、とても深い場所にある。もちろん、日本のように、普通に地面の上に立派なお堂が建っている。しかしそこに祭られているのは本尊ではない。 あるパゴダの本尊は、お堂とお堂の間の狭い隙間を通って、また、あるパゴダでは、本堂とは離れた敷地の隅っこにある目立たない隙間を通って、本尊を祭る鍾乳洞へと降りていく。それぞれの入り口は、もし布などで飾られていなければ、まったくわからないだろう。 もともと本尊は地面の上にあった。 しかし戦争中、これらを敵から守るため、信徒達の手によって、鍾乳洞の奥深くへと隠された。内部は、蝋燭の明かりで照らされ、神秘的な雰囲気に覆われている。 ぜいぜい言いながら、3つのパゴダを巡り、漸く参道の入り口に戻った。 これからここで飯を食った後、またのんびりとハノイに戻る。 「これ、ツアー料金に含まれてるんですかね?」 テーブルに並んだベトナム料理のご馳走の山を前に、私の隣にいた日本人大学生の男の子が尋ねてきた。 「知るかいな。食ったもん勝ちや。」 そういえば、私は現地通貨をほとんど持っていなかった。まあええわ。 いざとなったらドルもあるし、ああでも、ドルの小額紙幣もほとんどなかったなあ、とはいえ大きな紙幣は全部腹に巻いているし。 「そうですね。食いましょう。すげえ美味そうだ。」 トレッキングのおかげですっかりぺこぺこに腹は減っている。 ご馳走を前に余計なことは考えるな。 今食うとかな今度はいつ食えるかもわからん。 旅慣れたこの学生は、それも充分にわかっている。 私たち二人は、箸使いがままならず、また、見たこともない食材に少々戸惑うほかのツアー参加者を尻目にとんでもない勢いで飯を食い始めた。 目の前に座っているアメリカ人のひょろっとした別嬪はほとんどと言っていいほど箸をつけない。 「なんで食わへんの?」 私はぶしつけに質問をする。 戸惑いながら笑う彼女の返事を待つ間もなく、私は彼女に自分の茶碗を差出し「悪いけど、飯入れてくれへん?」と言っていた。もちろん、彼女に野菜だけの炒め物の皿を手渡してやるのは忘れない。漸く彼女はほんの少し野菜だけを選んで食べ始めた。 このツアーで恐らく一番若かったのは日本人大学生の男の子で、一番身体の小さかったのは私だ。この日本人二人がタッグを組んで、あっちの皿、こっちの皿をつつきまくり他の誰よりも沢山食ったのは言うまでもない。 いよいよ支払いの段になった。 案の定、お代は別途。 お一人様80.000ドンずついただきます。 うはははは。
さすがは結構なお値段で。 しかしこのとき、私のポケットにはわずか2ドルしかなかった。 まさかここでシャツをまくり上げ、おっぱいさらして腹巻の中から財布を取り出すわけにはいくまい。 私は堂々と2ドルを給仕の男の子に差し出し、しっかりと食い逃げをした。 ■ツアー料金に関して■ ツアー料金に関しては、飯や宿泊費の含まれるもの、そうでないものいろいろあります。 この辺に関しては、事前にちゃんと確認をとっておけば問題ないのですが、それを忘れたり、言葉がわからなかったりした場合は、一応、それなりにお小遣いは用意して行きましょう。 ちなみに今回のお代80.000ドンは、ドルに換算して約6ドル あの時の給仕の男の子。 きっと親方に怒られただろうと思います。 今度行ったときには必ず今回の分を払うから、許してお願い。 ごめんなさい。 NO:22 乙女のヨロコビ |
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