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■メールマガジン「Lucyみさおの逃亡日記番外編ベトナム・ハノイ-サパ編」に関して
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■Lucyみさおの逃亡日記番外編ベトナム・ハノイ-サパ編 NO:23 花瓶■
ピックアップの時はセーターにジーンズだった運転手が、今朝はネクタイを締めて迎えに来た。「似合うやん」と言いながら、彼のネクタイをきゅっと締め上げて私はホテルスタッフに礼を言い、空港へ向った。

ノイバイ国際空港はチェックインにちょいと時間がかかる。
理由は、受付がおっとりしているからにすぎないが、まあ、ここでイラチになっても仕方がない。どうせ後は帰るだけ。帰路もやはり来たときと同じタイ航空機でバンコックを経由する。

バンコックへ向う便は随分とゆれた。
隣に座ったラガーシャツのよく似合う体育会系デンマーク女性と話をしながら食事を摂っていると、機体が上下にぐいんぐいんと揺れ、思わず食事のトレーを互いに押さえる。
「怖いー怖いー」を連発する私の隣で、ベトナムで一番高い山に登って来たというこの女性は、揺れの合間をぬって平然と食事を続けている。 
彼女は眼鏡か望遠鏡か、なにやらそういった仕事の調査か研究で、世界中を巡っている最中だ。あと数ヶ月各国を巡り8月にデンマークに戻る。

今朝ホテルで出会った女性といい、今私の隣にいる女性といい、ごくごく普通に、こうして仕事で世界中を旅している女性は沢山いる。

バンコックで彼女と別れ、ドンムアン国際空港の免税店を冷やかした後、2時に関空行きの便で発った。隣は空席。これから5時間は、ビールでも飲んでのんびり寝て帰ろう。

二本目のビールに気持ちよく酔いながら、私は足元のバッグから例の花瓶を出し、包装紙をはがしてもう一度それを眺めた。デザインにはさほど興味はない。ただ、そこに入ったホテルのロゴをじっと見ながら、あのマネージャーのことを考えていた。

若くて童顔でハンサム。
彼には「知性」というよりも、得体の知れない「知恵」を感じる。

金を持っている客、つまり日本人の女性客をはじめ、海外の観光客に、口コミで評判を広めさせるために、彼が大きなコストをかけずに工夫しているサービスの数々は、確実に成果を上げ始めている。スタッフは皆彼を心から信頼し尊敬している。

ベトナムは今、自由経済へと移行する中で、彼のような戦後生まれの若いビジネスマンが多く頭角を現し始めているのだろう。あのバイクの騒音にまみれた猥雑な街から、近い将来、きっと世界的な企業家が出てくる。

パンパンに張り詰めた空気が一気に放出され、轟音を上げて渦巻いているような、あの街のエネルギー。飲み込まれるかそれとも押し上げられるか。

−彼はどっちやろう。

私は花瓶をバッグに仕舞い直し、残りのビールを飲み干した。

(おわり)   

■ご愛読ありがとうございました■

Lucyみさおです。
皆様、いつもご愛読ありがとうございます。
逃亡日記番外編ベトナムハノイサパ編は今号を持って最終回となります。
長らくのご愛読、どうもありがとうございました。

今日、上海から帰国し、このメールマガジンの最終章を書き上げました。
今年は何のご縁なのか、ベトナムに始まり、モンゴル、上海と、ことあるごとに海外に出かけています。34歳までパスポート一つ持つことのなかった私ですが、39歳の今、随分と思い切りがよくなったものです。

ベトナム逃亡日記、如何でしたでしょうか?
時にはひやひや、時にはげらげら、まあ、いろんなことがあった楽しい旅でしたが、少しでもその様子が読者の皆様に伝わり、またベトナムの魅力を感じていただけたなら、こんなに嬉しいことはありません。

旅はいつも驚きの連続です。
それは訪れた国の文化に驚くことはもちろん、その中に飛び込むことによって、本当の自分の姿に気付くからでもあります。私が旅をするのは、この驚きに魅了されているせいなのかもしれません。

現在私は、 モンゴルの逃亡日記を執筆、メールマガジンにて配信中、 そして、この週末を過ごした 上海の様子もまた、プチ逃亡日記として公開 しています。
どうぞこちらもお楽しみ下さい(^^)。




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